啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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シンガポール会社の年次財務諸表・監査及び中央積立基金の登録・拠出

シンガポールの会社法と税法の要求を了解した後、シンガポール会社の年次財務諸表と監査、及び中央積立基金の登録・拠出に関する知識も重要ですよ。


4. 年次財務諸表と監査


4.1 財務諸表


シンガポール会社法により、年次株主総会(AGM)前の半年以内に作成された監査済財務諸表を株主全員に渡し、会議で提出する必要があります。一般的に、1つ又は複数の子会社を持っており、シンガポールで設立された会社は連結財務諸表を作成しなければなりません。但し、シンガポール財務報告基準(SFRS)第110号「連結財務諸表」による特定基準に該当する場合、この限りではありません。


財務諸表には以下の書類が含まれています。
(1) 損益計算書及びその他の収支書
(2) 財務状況書
(3) 持分変動計算書
(4) キャッシュフロー計算書
(5) 重要な会計方針及びその他の情報を説明する書類


シンガポール財務諸表基準第1号により、財務諸表には取締役報告書(Director’s Report)及び会計監査人の監査報告書(Auditor’s Report)が含まれる必要があります。取締役は、財務諸表が会社の財政状態を真実かつ公正で反映され、会社が満期の債務を弁済する能力があると信じる合理的な理由があることを宣言しなければなりません。


4.2 監査人(Auditor)の委任


シンガポール会社法の規定により、シンガポールで設立された全ての有限責任会社は設立する日から3ヶ月以内に監査人(Auditor)を委任し、毎年の財務諸表の監査がシンガポールの公認会計士によって行われなければなりません。但し、会社法第205B(休眠会社)及び205C(小規模非公開会社)に該当して監査が免除される場合、この限りではありません。


4.3 監査の免除


会社は以下の要件に該当する場合に小規模会社とみられ、法定会計監査が免除されます。
(1) その会計年度内に非公開会社とみられること。
(2) 直近連続2会計年度内に、以下の3つ基準のうちに2つに該当する場合
(i) 各会計年度の年間収入総額は1000万SGDを超えないこと。
(ii) 各会計年度の総資産は1000万SGDを超えないこと。
(iii) 各会計年度の従業員数は50人を超えないこと。


小規模グループの一部(親会社又は子会社)を構成している会社は、以下の要件に該当する場合、会計監査が免除されます。
(1) その会社が小規模会社としての資格を有すること。
(2) 所属するグループが「小規模グループ」としての資格を有すること。


4.4 未監査の財務諸表(Unaudited Financial Statements)


適格な小規模会社は、監査人を委任し、監査人に年間財務諸表の監査を行わせる必要がありませんが、未監査の財務諸表を作成しなければなりません。未監査の財務諸表の作成は、IRAS及びACRAへの年間納税申告書及び年次申告書の提出要件に該当します。一連の未監査の財務諸表は監査報告書との違いが監査人の監査意見のみが欠けており、基本的には同じです。未監査の財務諸表には説明書類が含まれ、取締役会の報告書及び取締役会の声明が添付されます。上述の報告書は、シンガポール会計基準(SFRS)に基づき作成され、国際財務報告基準(IFRS)に該当します。


5. 中央積立基金の登録・拠出


シンガポールの中央積立基金(Central Provident Fund:CPF)とは、政府、雇用主、従業員が共に支えており、法律より保護されている強制貯蓄制度です。シンガポール会社は従業員を雇用する前に、中央積立基金庁に積立基金を申告・納付するためにシンガポールの中央積立基金庁(CPF Board)に登録を行い、CPF登録番号(CSN)を取得しなければなりません。雇用主は中央積立基金法(CPF Act)に基づき、所定の拠出率でCPFに積み立てるとともに、従業員の月給から拠出金として納付すべき積立基金を控除する必要があります。


雇用主は毎月末に中央積立基金を中央積立基金庁に納付しなければなりません。一般的には、雇用主は14日間の猶予があります。即ち、雇用主は賃金支給月の翌月14日までに拠出金を支払うことができます。



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