啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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台湾の営業税について

1. 前書き


1986年、台湾は付加価値に基づき徴収される営業税を導入しました。課税対象は、販売の物品、労働及び輸入品です。課税対象は毎月又は2ヶ月ごとに総所得から設備資本及び資本的支出以外の支出を控除した残高です。営業税率は、一般税額計算営業者及び特別税額計算営業者の2種類に分けられます。前者は付加価値額に課税する営業者を指し、後者は総売上高に課税する営業者を指します。


2. 営業税の課税対象


台湾で物品、労務又は輸入品を販売する場合、『付加価値型及び非付加価値型営業税法』(以下「営業税法」という)に従って営業税を課する必要があります。


2.1 物品の販売


物品の販売とは、代価を取得するために、物品の所有権を第三者に移転することです。具体的には以下の通りです。
(1) 営業者が自ら製造・輸入・購入した物品を自ら使用すること、又は無料で第三者に移転すること。
(2) 営業者が解散もしくは廃業の際に残った物品を債務の返済に使用すること、又は株主もしくは出資者に配分すること。
(3) 営業者が自己名義で物品を購入して依頼人に引き渡すこと。
(4) 営業者が第三者に物品の販売代行を依頼すること。
(5) 営業者が物品を販売代行すること。


2.2 労務の販売


労務の販売とは、代価を取得するために、第三者に労務を提供し、又は物品を第三者に提供して使用させることです。但し、専門労務及び被雇用の個人の労務が含まれていません。


2.3 物品の輸入


物品の輸入とは、以下のいずれかを指します。
(1) 海外から物品を台湾に輸入すること(保税地域に輸入する保税品が含まれない)。
(2) 保税品を保税地域から台湾の他の地域に輸入すること。


3. 納税義務者


営業税の納税義務者は具体的に以下の通りです。
(1) 物品又は労務を販売する営業者
(2) 輸入品の荷受人又は所有者
(3) 外国の事業、機関、団体、組織、及び台湾に固定の住所を有しない者が販売する物品の買受人、又は代理人(台湾に固定の住所を有せず代理人を有する外国の国際運送業者の場合)
(4) 免税の農業用油、漁業用油を規定に従わずに他の用途で移転又は使用する者
(5) 電子労務を台湾の自然人に販売する外国の事業、機関、団体、組織、及び台湾に固定の住所を有しない者(上記の(3)が適用されない)


4. 統一発票の使用


4.1 概要


台湾営業税法の第4章第1節に従って営業税額を計算する営業者は、営業税の課税対象の物品又は労務を販売する際に、販売価格が内税方式とし、『営業者が売上証憑の発行にあたる期限表』に従って統一発票を買受人に発行する必要があります。買受人が営業者である場合、売上金額及び売上税額(仕入税額)を統一発票で個別に表示する必要があります。買受人が営業者でない場合、売上金額及び売上税額(仕入税額)を統一発票で合算して表示する必要があります。台湾営業税法の第4章第2節に従って営業税額を計算する営業者は、統一発票で売上金額のみ表示します。


4.2 統一発票の種類


統一発票の種類及び用途
三連式統一発票→営業税法の第4章第1節に従って営業税額を計算する営業者が物品又は労務を営業者に販売する際に使用され、発票の発行対象が統一コードを有する会社である
二連式統一発票→営業税法の第4章第1節に従って営業税額を計算する営業者が物品又は労務を営業者に販売する際に使用され、発票の発行対象が個人消費者又は統一コードを有しない会社である
特種統一発票→営業税法の第4章第2節に従って営業税額を計算する営業者が物品又は労務を営業者に販売する際に使用される
レジスター統一発票→営業税法の第4章第2節に従って営業税額を計算する営業者が物品又は労務を営業者に販売し、レジスターにより発票を発行する場合に使用される
電子発票→営業税法の第4章第1節又は第2節に従って営業税額を計算する営業者が物品又は労務を営業者に販売する際に使用される


備考:台湾営業税法の第4章第1節に記載される付加価値型営業税の対象となる営業者には、第4章第2節に別途規定される営業者が含まれていません。営業税法の第4章第2節に記載される総額型営業税の対象となる営業者には、金融業、特殊飲食業、小規模営業者、及び財政部の規定による売上高の申告が免除される営業者が含まれています。


上記の各種の統一発票をインターネット又はその他の電磁的方法で記入、送信又は受領しようとする営業者は、徴税機関に申請できます。


5. 総額型営業税


5.1 課税範囲


総額型営業税の課税範囲には、金融業、特殊飲食業、小規模営業者、及び財政部の規定による売上高の申告が免除される営業者が含まれます。それらの営業者は、総売上高によって課税する必要があります。仕入税額は控除による還付、又は徴税機関に還付を申請することができないができないため、物品もしくは労務を販売する際の追加コストとなります。


総額型営業税の税率
女性接待員がある風俗飲食店、喫茶店、コーヒー屋、バー (25%)
ナイトクラブ、パフォーマンスのあるレストラン(15%)
投資信託業、証券業、先物業、票券業、質屋業 (本業2%、副業5%)
銀行業、保険業 (本業2%、副業5%)
保険業の再保険による収入( 1%)
小規模営業者、及び財政部の規定による売上高の申告が免除される営業者 (1%)
農産物卸売市場の卸売業者、及び農産物の販売を扱う小規模営業者( 0.1%)


5.2 総額型営業税の申告・納付


2ヶ月ごとに申告します。支払うべき営業税額がある者は、台湾政府に納付した後、納税領収書も申告する必要があります。小規模営業者、及び財政部の規定による売上高の申告が免除される営業者の場合は、徴税機関が税額を査定し、3ヶ月ごとに納税通知書を発行します。


6. 付加価値型営業税


6.1 課税範囲


付加価値型営業税は、売上税額と仕入税額の差額部分に対して課税されます。法定の場合を除き、営業者は付加価値型営業税を納付する場合、その売上税額が仕入税額と相殺できます。


6.2 税率


現行の付加価値型営業税の税率は25%です。


6.3 ゼロ税率の適用項目


以下のいずれかの物品又は労務の営業税の税率は0%です。
(1) 輸出の物品
(2) 輸出に係る労務、又は台湾内で提供されて台湾外で使用される労務
(3) 法律に従って設立された免税店がトランジット旅客又は出国旅客に販売する物品
(4) 保税地域の営業者に営業のために販売された物品又は労務
(5) 国際運送(外国の国際運送業者は、当該運送業者の本国が台湾の国際運送業者に同等又は類似の優遇税制を提供する場合のみ適用する)
(6) 国際運送に使用される船舶、航空機及び遠洋漁船
(7) 船舶、航空機、遠洋漁船が国際輸送に使用される物品又は修理労務
(8) 台湾の保税地域の営業者が課税地域の営業者に販売し、課税地域に輸出されならずに直接輸出される物品
(9) 台湾の保税地域の営業者が課税地域の営業者に販売し、自由貿易港区事業又は保税倉庫、物流センターに預ける輸出品


上記の保税地域とは、台湾政府が規定された輸出加工区、科学工業団地、農業科学技術団地、自由貿易港、及び税関が管理する保税工場、保税倉庫、物流センター、かつ税関により監督される専門地区を指します。


上記の保税地域の営業者とは、台湾政府が規定された輸出加工区の営業者、科学工業団地の営業者、農業科学技術団地の営業者、自由貿易港の営業者、及び税関が管理する保税工場、保税倉庫、物流センター、かつ税関により監督される専門地区の営業者を指します。


上記の課税地域の営業者とは、上記の保税地域の営業者以外の営業者を指します。


6.4 外国の事業、機関、団体、組織が台湾で展示会などの臨時事業活動を行って支払う営業税の相互の税金還付


外国の事業、機関、団体、組織、及び台湾に固定の住所を有しない者は、1年以内に台湾で展示会などの臨時事業活動を参加し、物品又は労務の購入により5000ニュー台湾ドル以上の付加価値型営業税を納付した場合、税金還付を申請することができます。但し、証憑などを取得・保存していない場合、又は法定の控除対象外の仕入税額について、当該還付が適用されません。


また、上記の者は、その本国が台湾の事業、機関、団体、組織に同等又は類似の優遇税制を提供する場合のみ、当該還付を適用します。


上記の1年間の計算、展示会などの臨時事業活動の定義、一定金額、証憑の取得・保存、申請書類、申請期限、申請関連事項などは、台湾財政部によって規定されます。


6.5 付加価値型営業税の非課税項目


台湾営業税法第8条第1項55により、32の物品又は労務(例えば、販売の土地、病院や診療所が提供する医薬品や医療サービスなど)は営業税が非課税されます。免税品を買受人に販売する場合、買受人から売上税額を徴収することはできません。また、免税品の仕入税額を控除することもできません。


非課税の物品又は労務を販売する営業者は、財政部に非課税規定適用を放棄することができますが、財政部承認後3年以内に変更できません。


6.6 超過税額の還付


営業者が以下の超過税額を申告した場合は、徴税機関が確認後に還付されます。
(1) ゼロ税率に適用される物品又は労務の販売による営業税の過払い
(2) 固定資産の取得による営業税の過払い
(3) 合併、譲渡、解散又は廃止による登録抹消の者に対する営業税の過払い


上記以外の超過税額について、営業者は支払うべき営業税額と相殺できます。特別な状況において、財政部は確認後に税額を還付する場合でもあります。


6.7 付加価値型営業税の申告・納付


営業税法が特別に規定されない限り、営業者は、売上の有無にかかわらず、2ヶ月分を一括して翌奇数月の15日までに(例えば、1~2月分の営業税を3月15日までに申告する)所定様式で申告書に記入し、税金の控除、還付及びその他の事項に関する書類を添付し、徴税機関に売上金額、営業税額、営業税の超過税額を申告する必要があります。支払うべき営業税額がある営業者は、予め国庫に税金を納付し、納税領収書を上記の書類とともに提出する必要があります。


営業者は、販売の物品又は労務が規定によってゼロ税率を適用する場合、1ヶ月分の営業税を翌月の15日までに徴税機関に売上金額、営業税額、営業税の超過税額を申告する必要があります。



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