啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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シンガポール支店の税務申告

1 法人所得税


シンガポールの法人所得税の納税者(有限会社と支店)は会計年度末から3ヶ月以内に税務機関へ課税所得見積申告(Estimated Chargeable Income:ECI)を提出する必要があります。但し、会社は次の条件に該当する場合はECIの提出が不要です。
(1) 関連会計年度に売上高が500万シンガポールドル未満である。
(2) 関連会計年度に仮払税はない。


シンガポール内国歳入庁(IRAS)は毎年の5月に納税者に申告書フォームCを郵送します。フォームC(シンガポールの法人所得税申告書)は毎年の12月15日(書面申告の場合は11月30日)までにIRASへ提出する必要があります。場合によって、企業は、支店の監査済財務諸表及び外国本社の財務諸表を同時に提出する必要があります。


IRASは納税者が提出したフォームを審査し、納税者に査定通知(Notice of Assessment:NOA)を発行します。会社はNOAの発行日から1ヶ月以内に税金を納付する必要があります。さもなければ、税務機関は未払い税金について罰金を課します。


2 物品サービス税(Goods and Service Tax:GST)


(1) 物品サービス税登録


物品サービス税(以下、「GST」という)はシンガポール現地において商品又はサービスを提供し、及びシンガポールへ商品を輸入することにより生じた税金です。シンガポールで物品・サービスを提供し且つ年間課税売上高が100万SGDを超える(又は超えると見込まれる)事業者はGST登録をしなければなりません。GST登録を行う義務が発生した日から30日以内にIRASに通知しなければなりません。


物品又はサービスの大部分は輸出される場合、または免税取引(Zero-rated Supplies)である場合には、GST登録は不要です。


会社はGST事業者として登録する方が有利だと判断した場合、GST登録義務がなくても任意に登録を申請することができます。登録申請が成功するかどうかはGST部門監査官(Comptroller of GST)の判断によります。ただし、一旦登録すると最低2年間はGST事業者であり続ける必要があります。


(2) GSTの申告及び納付


一般的には、会社は四半期ごとにGSTを申告しなければなりません。GST部門監査官に毎月又は半年ごとの申告を申請することもできますが、申請が承認されるかどうかは監査官の決定によります。


GST登録をしている納税者は申告期間末(即ち会計年度末の翌月)までにGSTの差額を納付しなければなりません。例えば、四半期ごとの申告の場合、2020年3月末には第1四半期が終了し、納付期限は2020年4月31日となります。


3 年間給与明細書


シンガポール支店が従業員を有する場合、雇用主は毎年3月1日までに、Form IR8A及びAppendix 8A、Appendix 8B又はForm IR8S(適用される場合)を作成し、シンガポール支店で働く従業員に交付しなければなりません。従業員は前述のフォームの内容に基づいて個人所得税の申告を行います。


シンガポール支店は7人以上の従業員を雇用している場合、毎年3月1日までにIRASにForm IR8Aを提出しなければなりません。7人以下の従業員を雇用している場合には、Form IR8Aを記入して各従業員に交付するだけで済み、IRASに提出する必要がありません。



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