啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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シンガポールにおける漢方薬ビジネス展開ガイド(下)

3. 登録申請要件


(1) 学術資格
申請者は下記のいずれかの資格を有しなければなりません。


(a) 中医薬専攻のディプロマ(下記の現地の中医薬学院が開く6年制パートタイム又は3年制フルタイムの中医薬専攻ディプロマコースを修了する)
(i) シンガポール中医薬学院(Singapore College of Traditional Chinese Medicine)
(ii) 中国医学研究所(Institute of Chinese Medical Studies)


(b) 中医薬専攻の卒業証書(下記の現地の中医薬学院が開く7年制パートタイム又は5年制フルタイムの中医薬専攻学士課程を修了する。
(i) シンガポール中医薬学院(Singapore College of Traditional Chinese Medicine)
(ii) 中国医学研究所(Institute of Chinese Medical Studies)


(c) 下記の中国における中医薬学院が付与する5年制フルタイムの中医薬専攻の学士学位(中国語受講)
(i)  北京中医薬大学
(ii)  成都中医薬大学
(iii) 中国中医研究院
(iv) 広州中医薬大学
(v)  黒竜江中医薬大学
(vi) 南京中医薬大学 
(vii) 山東中医薬大学 
(viii) 上海中医薬大学 


(2) 実践経験
学術資格のほか、海外の中医学資格を有する申請者は下記の実践経験の要件も満たさなければなりません。
(a) 海外の中医学認定資格を有するシンガポール市民
(i) 外国の登録証明書及び医師免許を保有しないシンガポール国民
最低1年間の臨床実習を終了し(最低403時間の現地の認可される中医薬教育機構(注1)での臨床トレーニングを含む)、且つシンガポール登録中医師試験(STRE)に合格する必要がある。
(ii) 外国の登録証明書及び医師免許を保有するシンガポール国民
• 外国の登録証明書、医師免許及び現在の存在証明書(Certificate of Good Standing)(発行日から3ヶ月以内)を保有する。
• 正式登録前に、シンガポールの中医学機構(注2)で最低1年間の条件付き登録の中医臨床実習を終了する必要がある。


(b) 中医師認定資格を有する外国人及びシンガポール永住者


(i)  外国の登録証明書、医師免許及び現在の存在証明書(発行日から3ヶ月以内)を保有する。
(ii)  シンガポールでフルタイム中医師として雇用されることを証明できる証拠を提供する。
(iii) 漢方医局が認可する国家認定の中医学機構における十分な中医臨床経験を持って、且つ副主任医師またはさらに高いポジションを担任する。
(iv) 正式登録を申請する前に、シンガポールで認可される国内の中医学機構(注2)で最低3年間の条件付き登録の中医実践をする。


(c) 優れた技能と専門知識を持つ外国人
(i)  漢方医局が認可する優れた中医学の技能と専門知識を持つ
(ii)  外国の登録証明書、医師免許及び現在の存在証明書(発行日から3ヶ月以内)を保有する。
(iii) シンガポールでフルタイム中医師として雇用されることを証明できる証拠を提供する。 
(iv) 漢方医局が認可する国家認定の中医学機構における最低15年間の中医臨床経験を持って、主任医師を5年以上担任する。または、きわめて優れた技能と専門知識を持つ場合、漢方医局が詳細によって考量する。 


注1: 現地の認可される中医薬教育機構とは以下を含みます。
(1) シンガポール中医薬学院(Singapore College of Traditional Chinese Medicine)
(2) 中国医学研究所(Institute of Chinese Medical Studies)
(3) 南洋理工大学(Nanyang Technological University)


注2: シンガポール国内の認可される中医学機構とは、正式登録の中医師が最低3人以上いて、かつその中条件付き登録の中医師を監督する主管医師が最低1人いる現地の中医診療所を指します。具体的な条件は以下のとおりです。


(1) 中医主管医師は漢方医局の批准される資格を有し、且つ現地で15年以上の中医臨床経験を持つ。
(2) 中医主管医師は一回1人のみの条件付き登録の中医師を監督する。


4. 医師免許


シンガポール登録中医師試験(STRE)の受験申請が批准され、且つ試験に合格した申請者は、医師免許(Practising Certificate)を取得し、かつ免許料金を支払う必要があります。正式登録または条件付き登録の中医師は医師免許を持たなければシンガポールで働くことができません。


2020年4月1日より、継続的専門研修(CPE)プログラムが実施されます。全ての中医学従事者は医師免許を更新する前に、継続的専門研修の要求を満たさなければなりません。医師免許の有効期限が6月までなので、中医学従事者は、4月1日から5月31日までに中医中薬管理局のウェブサイトを通じて医師免許の更新申請を行わなければなりません。


5月31日以降に医師免許の更新申請を提出する場合、75Sドルの延滞金が徴収され、6月以降更新申請を提出する場合、200Sドルの延滞金が徴収されます。有効な医師免許を持っていないまま業務を経営するのは違法行為に該当しますので、中医師が定時に医師免許を更新しなければなりません。


5. 新規診療所のライセンス申請


5.1 事前申請(開業前2ヶ月以上に)
(1) ACRAに登記する前に、診療所の名称を漢方医局に提出する。
(2) ACRAの会社プロファイルを準備する
(3) シンガポール民間防衛部隊(SCDF)の火災予防証書を準備する


5.2 申請手順
(1) CorpPassまたはSingPassでeLisにログインする
(2) 全ての情報を記入しかつ証明書類を添付する
(3) 申請を提出し且つライセンスの申請料を支払う


5.3 監査
(1) 監査通知の電子メールを受領する
(2) 監査用の書類を準備する


5.4 結果
(1) 申請要件に満たした後5営業日以内に、関連申請の電子メールを受領する
(2) eLisにログインして申請結果を見る


6. 漢方薬販売管理


会社は中薬・漢方薬を販売する予定があれば、当該漢方薬がシンガポールに批准を得なければなりません。漢方薬の輸入許可証を申請する時に会社がシンガポールの保健科学庁(HSA)の適正販売基準(Good Distribution Practice)に満たすことを証明する必要はあります。製品を転売目的で輸入する場合、会社は漢方薬の卸売販売業者のライセンスを申請しなければなりません。


一般的に、漢方薬販売業者は以下の要求を満たさなければなりません。
(1) 漢方薬は以下を含んではいけません。
(a) 「毒薬法」に記載されたいかなる物質
(b) いかなる合成薬 
(c) アミグダリン、グルタミン酸またはその塩、ダントロン(Danthron)、スプロフェンまたはその塩、およびローダミンB
(d) 成分表示ラベルに記載されたもの以外のいかなる物質 


(2) 漢方薬は規定の閾値を超えてはいけません。
(a) 有害重金属
(b) 微生物汚染


(3) 漢方薬はラベル表示の要求を満たし、且つそのラベル及び包装材料が「医薬品法」別表第一の19種の病気・症状(例えばがん、糖尿病、高血圧及び性機能など)のいずれかの1種に言及してはいけません。


(4) いかなる広告およびプロモーション活動はシンガポールの保健科学庁の批准を得なければなりません。



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