啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

海外投資者が海外でビジネスを展開しやすいために、香港、北京、上海、深セン、シンガポール、台湾、米国における会社設立手続き、税制等の方面に関する情報は、Kaizenは皆様とシェアしましょう。

ミャンマー外資系独資貿易(小売)会社設立のマニュアル

一般的に、ミャンマー会社設立の所要時間は約5~6営業日であり、銀行口座開設の所要時間は約5~7営業日です。会社設立及び銀行口座開設の手続きを完了する所要時間は約13営業日です。ミャンマーの投資企業管理局(Directorate of Investment and Company Administration)(以下「DICA」という)は会社の事業内容及び投資者身分によって登録内容を審査する可能性があり、その場合に設立所要時間も延長されます。


製品を海外から輸入してミャンマー国内において小売するミャンマー外資系独資会社は小売業ライセンス、営業許可及び輸出入業者登録証を取得する必要があります。


1. 会社の基本構造


1.1 会社名称(商号)


ミャンマーにおいて設立された有限責任株式会社は会社名称の末尾に「LIMITED」又は「LTD」を付く必要があります。予定会社名称は唯一で、既存の会社名称又は類似もしくは予約済の会社名称が使用できません。


1.2 登録住所


ミャンマー会社はミャンマーに位置する登録住所を持たなければなりません。DICAに会社登録を申請する場合に登録住所を提供しなければならないことにご注意ください。ミャンマーの会社法により、小売業に従事する外資系独資会社は店舗をリースする必要があります。小売業ライセンス及び営業許可を申請する場合には店舗の賃貸借契約書を提出しなければなりません。


備考:ミャンマーの法規により、外資系独資会社が店舗面積929㎡未満の小売を行うことは認められていません。


1.3 登録資本金


小売業に従事する外資系独資会社の最低資本金額に関する制限は(賃借料を除いて)300万米ドルです。資本金の分割払いができますが、初回の出資額は資本金額の50%以上でなければならず、且つ小売業ライセンスの申請日までに払い切る必要があります。残りの30%、20%は2年目、3年目以内に払い切らなければなりません。


1.4 株主


ミャンマーの会社法には有限責任株式会社の株主数に関する制限がありませんため、株主は国籍を問わず、1つ又は複数の法人でも自然人でもなれます。


1.5 取締役


取締役の国籍に関する制限がありませんが、最低1人の取締役はミャンマー居住者であることが必要です。即ち外資系独資会社設立後、その取締役はミャンマーにおいて12ヶ月以内に183日以上滞在する必要があります。


1.6 会社定款


会社設立の際には、モデル定款又は独自定款の使用を決定する必要があります。


1.7 会社秘書役


ミャンマーにおいて設立された全ての会社はミャンマーの会社法の要求を該当しなければなりません。ミャンマーの会社法に違反した全ての行為は会社及び取締役が処罰又は起訴される恐れがあります。


2. 輸入業・小売業に関するライセンスと許可


ミャンマーの現行法律により、輸入業・小売業に従事する会社は、小売業ライセンス、営業許可及び輸出入業者登録証などを申請する必要があります。


2.1 小売業ライセンス


外資系独資会社は小売業ライセンスを取得してからこそ小売を行うことができます。小売業ライセンスを申請する前に、管轄の開発委員会に推薦状を申請する必要があります。推薦状取得後、ミャンマー商業省へ必要書類を提出し、且つ登録手続きを完了して小売業ライセンスを取得します。


2.2 (小売の)営業許可


特定の区域において小売業を経営しようとする会社は、ヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee)などの市開発委員会に登録を申請し、営業許可を取得する必要があります。


2.3 輸出入業者登録証


ミャンマーにおいて輸入業に従事する外資系独資会社は、輸入資格の申請及び商業省貿易局に輸出入業者登録証(別称「Impex Card」という)を申請して取得する必要があります。


2.4 輸入ライセンス


輸出入業者登録証取得後、輸入しようとする製品には特別な免許・許可の別途申請の可能性があります。商業省は申請書類審査を行い、問題がなければ輸入ライセンスを発行します。


3. 関連税制


ミャンマーにおいて設立される外資系独資貿易会社が下記の税金を納付する義務を負います。


3.1 法人所得税申告


ミャンマーの会社法に基づいて設立された会社の法人所得税率は25%です。会社は年度の総所得の見込金額を推計し、四半期ごとに法人所得税を予納する必要があります。予納税額及び全ての源泉徴収の税金は実際の最終税額と相殺することができます。会計年度末から3ヶ月以内に税務署へ法人所得税申告書を提出しなければなりません。


3.2 商業税申告


ミャンマーにおいて、商業税は物品の販売・サービス提供時点で課税されます。規定されている非課税品目を除き、全ての物品・サービスは商業税の課税対象です。基本となる商業税率は5%です。


商業税の初登録は事業活動開始の30日前に行われます。毎年の会計年度末までに30日以内に更新登録を行う必要があります。商業税申告書は四半期ごとに提出されます。年次申告書は会計年度末から3ヶ月以内に提出される必要があります。


3.3 法定社会保険料及び個人所得税の申告


ミャンマーの社会保障法により、5人以上の労働者を雇用する会社は、社会保障事務所に登録し、社会保険料を毎月支払う必要があります。社会保険料として、雇用主は労働者の賃金額3%(9,000チャットを上限)を支払い、労働者はその賃金額2%(6,000チャットを上限)を支払う必要があります。雇用者は賃金を支払う時、労働者の社会保険料を源泉徴収しなければなりません。


雇用者は賃金を支払う時、労働者の個人所得税を源泉徴収する必要があります。毎月の控除明細書は控除日から7日以内に税務署へ提出し、年度の給与支払報告書は会計年度末から3ヶ月以内に税務署へ提出する必要があります。


3.4 特別物品税


ミャンマーにおいて、特別物品税は諸外国の消費税に類似します。特別物品税は、たばこ、酒類、車両、宝石及び石油化学製品などの特別物品に対して、販売数量又は販売金額によって最高60%の税率が適用されます。


3.5 関税


多くの輸入品はミャンマー関税局に関税を納付する必要があります。輸入機械設備及び部品に対する関税の税率は輸入品の価値0~40%となります。


4. 年間維持要求


DICAが会社情報を確認するために、ミャンマーにおいて設立される新会社は登録日から2ヶ月以内にDICAへ最初の年次報告書を提出する必要があります。その後、毎年の登録記念日から1ヶ月以内に年次報告書を最低1回提出しなければなりません。


また、設立後のミャンマー会社はミャンマー会社法の規定(例えば、年次総会の開催、年次財務諸表の作成、ミャンマー独立監査法人による年次財務諸表の監査、所得税申告書の提出など)を遵守する必要があります。


5. 設立の手続きと所要時間


一般的に、ミャンマーにおいて外資系独資会社を設立する時間は約5~6営業日であり、銀行口座開設時間は約5~7営業日です。以上の手続きを完了する所要時間は約13営業日です。


5.1 会社名称(商号)の決定


既存の会社名称又は類似もしくは予約済の会社名称が使用できません。会社名称の可用性を確認するために、当事務所は類似商号調査サービスを提供します。


5.2 会社設立書類作成


ミャンマーにおいて設立された会社はDICAへ会社設立関連書類又は登録フォームを提出し、登録料を支払う必要があります。DICAは設立書類の審査を行い、問題がなければ登記証を発行します。


5.3 銀行口座開設


会社設立後、銀行口座の開設は必要です。銀行口座開設の際に、会社の全ての署名権者は自らミャンマーに出向き銀行口座の開設を行う必要があります。


会社設立及び銀行口座開設の手続き完了後、必要なライセンスが申請できます。製品を海外から輸入してミャンマー国内において小売するミャンマー外資系独資会社は、小売業ライセンス及び営業許可を申請しなければなりません。上記のライセンス取得後、輸出入業者登録証及び輸入ライセンスの申請も必要です。以上の手続きを完了するには約20週間がかかります。


6. 必要書類


ミャンマー外資系独資会社を設立する際、下記の書類及び情報を準備する必要があります。


(1) 英語の会社名称・商号2~3個
(2) 株主が自然人の場合は、パスポートのカラー写し及び持株比率、株式種類(例えば普通株)、住所情報を提供する。株主が法人の場合は、設立証明書のカラー写しを提供する。
(3) 全ての取締役となる者のパスポートのカラー写し及び住所情報
(4) 会社の登録資本金
(5) 会社の事業内容



もっと詳細な情報や支援をご希望の場合は、下記のお問い合わせをご利用になってください。
メール:info@kaizencpa.com
固定電話: +852 2341 1444  
携帯電話: +852 5616 4140、+86 152 1943 4614
ライン・WhatsApp・Wechat: +852 5616 4140
公式ウェブサイト:https://www.kaizencpa.com/jp/
Skype: kaizencpa