啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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シンガポールのペットショップ開業ガイド

現在、ペットを飼いたい、ペットと暮らすライフスタイルを選ぶ人が増えてきています。ある研究結果により、ペットを飼うことを通じて、ストレス、孤独感及び悩みを軽減することができ、責任感も強くなります。さらに一人暮らしの高齢者が自宅で怪我をしたときに、訓練を受けたペットは警察へ通報することができます。従って、ペット業界は爆発的に成長しています。これをきっかけに、シンガポールでペットショップを経営することでビジネスチャンスをつかむことができます。


シンガポールにおいてペットショップを開く前に、シンガポールの会計企業規制庁(ACRA)に会社登記申請を行う必要があります。それから、ペットショップが合法的にペットを展示、販売、卸売りまたは輸出するために、動物・獣医サービス(AVS)によるペットショップのライセンスを申請しなければなりません。


ペットショップのライセンス


ペットショップにおいてペットを展示、販売、卸売りまたは輸出する前に、動物・獣医サービス(AVS)によるペットショップのライセンスを申請する必要があります。当該ライセンスには販売が許可された動物の種類が記載されます。


(1) 犬
(2) 猫
(3) ウサギ
(4) モルモット
(5) ハムスター
(6) スナネズミ
(7) ネズミ
(8) チンチラ
(9) アカミミガメ
(10) オカヤドカリ(陸宿借、陸寄居虫)
(11) イエアメガエル(Litoria caerulea)
(12) 魚類(CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に明記される魚類であれば、「CITES輸出許可書」または原産地証明書の取得が必要)
(13) 鳥類(CITESに明記される鳥類であれば、「CITES輸出許可書」または原産地証明書の取得が必要)
(14)  マレーハコガメ
(15)  ドラゴンフィッシュ


ペットショップは以下のペット関連サービスを提供することもできます。


(1) ペット火葬


環境公衆衛生(公共清掃)規則(Environmental Public Health (Public Cleansing) Regulations)第19(2)条に基づき、ペットなど動物の死体を公共の場に埋めることは違法です。シンガポールでは動物のお墓や霊園がありませんので、ペットの死体を処理する唯一の選択は火葬となります。ペット火葬サービスを提供するペット葬祭業者はシンガポール国家環境庁(NEA)の許可を得なければなりません。


(2) ペット美容


ペット向けのグルーミングやトリミングのサービスを提供することは、ライセンスが不要です。適切なグルーミングスキル、才能があるスタッフ及び専門的なグルーミング設備さえ揃えば、関連サービスを市場に提供することができます。


(3) ペット預かり


ペットホテルを営むことはライセンスが不要です。販売目的の繁殖や動物販売を行うペット農場(その一部がペット預かり対応施設があり)が農場ライセンスを取得する必要がありますが、ペットホテルはAVSの許可条件に従う必要がなく、定期的に抜き取り検査を受ける必要もありません。但し、開業する前に都市再開発庁(URA)に当該場所をペットホテルとして使用することを申請する必要があるかもしれません。


(4) ペットフードやペット用品の販売


愛がん動物用飼料(ペットフード)を販売することはライセンスが不要ですが、シンガポールにおいてペットフード・飼料を輸入・製造・加工する場合、関係機関の批准を得なければなりません。地元のペットフードの製造業者は、ペットフードを生産・加工する前に、AVSによるライセンスを取得しなければなりません。全てのペットフードは貨物通関許可証(AVSによる輸入許可証としても使われる)が必要です。ただし、AVSは食品(例:動物用医薬品)と非食品(例:ペット用の歯磨き剤、シャンプー、点眼薬や点耳薬)のペット用品の輸入を制限していません。


(5) ペット撮影


シンガポールでペット撮影サービスを提供することはライセンスが不要ですが、ペットの撮影業務を経営する前に、ACRAに法人登記を申請しなければなりません。


ペットショップのライセンスは獣医師のライセンスとは違います。患者動物に対して医療サービスを提供する場合、獣医師のライセンスを申請しなければなりません。シンガポールの獣医師ライセンスについては、「Guide to Starting a Veterinary in Singapore」をご覧ください。


ペットショップのライセンス申請手続き


ペットショップのライセンスはオンラインで申請されます。最終的な批准を得る前に、いずれかの動物を展示・販売してはいけません。


1 ペットショップの必修トレーニングコース


ペットショップのライセンスを申請する前に、ペットショップの経営者は、AVSが承認したペット福祉及び動物管理の必修トレーニングコース(例えばTemasek SkillsFuture Academyによる関連コース)に参加しかつ合格しなければなりません。トレーニングは、ペットショップ経営者の専門能力に対する高い要求を満たすことを目指しています。


2 関係機関の批准


シンガポールでペットショップを運営することは、関係機関の批准を得なければなりません。


(1) URAによる許可証(建物用途の変更用) 
(2) 住宅開発庁(HDB)の批准書または同意書(HDB住宅のみに適用される)
(3) ACRAによる会社設立証明書またはBizFile(登記簿謄本)


3 必要な書類及び店舗の間取り図


下記の書類を上述の関係機関の批准書類と一緒に提出する必要があります。


(1) 医療保険の明細書(Medisave Statement)


(2) 店舗の賃貸借契約書または仮契約書(Letter of Intent)のコピー


(3) 店舗の間取り図


動物の展示エリア、隔離エリア、活動エリア、調理エリア、洗浄エリア、換気システム及び廃棄物排出システムに設置されたケージのレイアウト(ケージの数量とサイズ)を含みます。


(4) 動物用ケージの設計図及び施工図


動物用ケージの大きさは特定の要求を満たさなければなりません。例えば、狗が移動したり、回ったりするときにケージの側面にぶつかることはありません。ケージは、構造が動物にとっては安全であり、損傷、表面の腐食または鋭いエッジなどがありません。


(5) 終了証書(申請者がAVSが承認したペット福祉及び動物管理の必修トレーニングコースに参加しかつ合格したことを証明する文書)


4 ペットショップ視察


ペットショップが全ての要求を満たすことを確認するために、AVSは申請者に対して面接を行い、お店を視察します。


新しいライセンスは、上述の書類の提出後、且つ申請者がAVSの面接及び視察に通ってから3営業日以内に取得されます。ペットショップのライセンスは、有効期間が1年間であり、1年ごとの更新が必要です。


ペット購入申告書(PPD)


ライセンス条例に、ペットショップは犬、猫及びウサギなどを販売する前に、顧客がペットの飼い主になることが適するかどうかを判断しなければなりません。販売する前に買い手と売り手の両方がPPDフォームを記入します。販売が終了しかつ犬の所有権を譲渡する時に、犬の買主はPALS(ペット動物許可システム)を通じてPPDフォームの記入を完成しなければなりません。



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