啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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マレーシア会社の実質的支配権報告(二)

4. 実質的支配者の基準


実質的支配者とは、次の一つ又は複数の基準を満たしている自然人となります。
(1) 直接又は間接に会社の株式の20%以上の利害関係を有すること。
(2) 直接又は間接に会社の議決権の20%以上を保有すること。
(3) 会社、会社の取締役又は会社の管理層に対して公式又は非公式の実質的支配権を行使する権利を有すること。
(4) 取締役会において議決権の過半数を有する取締役を直接又は間接に選任・解任する権利を有すること。
(5) 会社の株主であり、他の株主と契約を締結して会社の議決権の過半数を保有すること。


5. 実質的支配者の情報の申告


(1) 新設会社(最初の年次申告書を提出する前)
(i) 会社秘書役の選任後30日以内に実質的支配者の情報を取得します。
(ii) 実質的支配者の情報を取得した後60日以内に実質的支配者登録簿に記載します。上述の60日にはCCMに報告する14日の期限が含まれます。
(iii) 実質的支配者の情報を実質的支配者登録簿に記載してから14日以内にCCMに報告します。


(2) 既存会社(最初の年次申告書を提出した後)
(i) 実質的支配者の情報を実質的支配者登録簿に記載してから14日以内に、株主名簿の変更についてCCMに報告します。
(ii) 会社の設立記念日から30日以内に年次申告書及び実質的支配者の情報を提出します。


6. 実質的支配者を特定する方法


会社は、次の一つ又は複数の方法で実質的支配者を特定することできます。


(1) 個人、事業体、信託が保有する会社の全ての利益を考えます。
(2) 株主名簿、株主契約、定款、会社設立証明書類等、会社の全ての書類や情報を確認します。
(3) 2016年会社法第56(1)、(2)又は(3)条に基づき通知書を発行します。さらに、会社は年次申告書を提出するために、少なくとも年に1回に第56(1) 条に基づく通知書を発行する必要があります。
(4) 最終的に同一人物によって保有される可能性のある、あらゆる手段で利益又は権利を保有する証拠を検討します。
(5) 実質的支配者報告に関する適切な内部措置を制定し、株主が会社の実質的支配者の身元及び情報を通知・更新させます。必要に応じて、当該措置を会社の定款等の文書に記載することができます。
(6) 各社の事項に応じてその他ふさわしい行動をします。


7. 実質的支配者の情報の取得と保管


(1) 2016年会社法第56(1)、(2)又は(3)条に基づき通知書を発行し、実質的支配者の情報を取得します。
(2) 1つ以上の基準を満たしている実質的支配者を特定するために合理的な措置を講じます。
(3) 実質的支配者の情報を実質的支配者登録簿に記載し、情報の正確性及び有効性を確保します。
(4) 実質的支配者報告に関する適切な内部措置を制定し、株主が会社の実質的支配者の身元及び情報を通知・更新させます。必要に応じて、当該措置を会社の定款等の文書に記載することができます。
(5) 管轄当局、法執行機関、実質的支配者及び実質的支配者の指定した者は実質的支配者の情報を調べられますが、実質的支配者は自分に関する実質的支配者の情報のみを調べられます。


実質的支配者の情報が取得できない場合に、会社は、情報を取得するために既に株主に通知書を2回以上発行した証拠を、示さなければなりません。その証拠は、実質的支配者登録簿と同じ場所に保管しなければなりません。


8. 移行期間


CCMのガイドラインは2020年3月1日発行し、2020年3月1日から2020年12月31日までは移行期間となりました。移行期間中、会社は社内の実質的支配者の情報を取得・保存・更新する必要がありました。移行期間後、会社は当該情報をCCMに提出しなければなりません。


2020年12月17日、CCMはガイドラインの移行期間を、会社(改正)法案及び有限責任パートナーシップ(改正)法案の施行日と合わせて延長することを発表しました。関係当局が会社に保存されている実質的支配者の情報をタイムリーに取得するために、会社は延長された移行期間中、実質的支配者を特定・検証し続け、実質的支配者の情報の正確性を確保する必要があります。また、会社は、実質的支配者の情報を提出すると同時に、年次申告書を提出する必要もあります。


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