啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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2022年法人税法変更の分析

2022年から、大企業・中型企業に影響を及ぼす新税法が施行されています。本稿では、2022年に施行され且つ大企業・中型企業の経営に大きな影響を与える3つの法人税法を重点的に紹介します。この3つは、株式会社の税源浸食・濫用防止税の税率を修正すること、1099-K報告値を下げること、米国法人の外国稼得無形資産所得控除を廃止することです。


1. 株式会社の税源浸食・濫用防止税の税率の修正
米国及び外国の株式会社が利益を米国外に移転することによって納税義務を回避することを阻止するために、2017年米国の税制改革は税源浸食・濫用防止税を公布しました。税源浸食・濫用防止税は、過去3課税年度の平均年間総所得が5億ドル以上である株式会社に適用されます。2017課税年度から2022課税年度まで税源浸食・濫用防止税の税率は10%です。2023課税年度以降、米国及び外国の株式会社の税源浸食・濫用防止税の税率変化は下表のとおりです。




2. 1099-K報告値下げ
フォーム1099-Kの報告値は次のように変更されました。


1)  2022年以前、会社がサードパーティのサービスプラットフォームを介入して支払いを受け取り、且つ支払い額が20,000ドルを超え、取引回数が200回を超えた場合、サードパーティのプラットフォームは当該会社にフォーム1099-Kを提供する必要があります。会社は、フォーム1099-Kによる所得を米国IRSに報告する必要があります。
2)  2022年以降、会社がサードパーティのサービスプラットフォームを介して支払いを受け取り、且つ支払い額が600ドルを超え、取引があった場合、サードパーティのプラットフォームは当該会社にフォーム1099-Kを提供する必要があります。会社は、フォーム1099-Kによる所得を米国IRSに報告する必要があります。
3)  サードパーティのプラットフォームには、主にPayPal、Venmo、eBay、Uber、Stripeなどが含まれます。
4)  フォーム1099-kの全称は、「ペイメントのカードとサードパーティのネットワーク上のトランザクション」です。このフォームは主に、サードパーティの取引プラットフォームを介入して獲得された会社の所得を報告するために使用されます。


調査によると、年収が20,000ドルを下回るギグエコノミーまたは自営業者の約80%は、1099-Kを受け取っていません。これにより、多くのギグエコノミーや自営業者が所得を誤って報告したり、過少報告したりしています。これに応じて、米国IRSは最終的に、このような問題を解決するために1099-Kの報告値を下げることを決定しました。ギグエコノミーは労働市場の用語であり、 主に請負業者及びフリーランサーがフルタイムまたはパートタイムの仕事ではなく、短期のタスクを完了することで報酬を得ることを指します。


3. 米国法人の外国稼得無形資産所得控除の廃止
2022課税年度が始まる前に、米国法人は外国稼得無形資産所得に対する控除を受けられます。2017年12月31日以降に課税年度が始まる会社の場合、許容される控除額は会社の外国稼得無形資産所得の37.5%です。2025年12月31日以降に課税年度が始まる会社の場合、許容される控除額は会社の外国稼得無形資産所得の21.875%です。外国稼得無形資産所得とは、米国法人の無形資産所得のうち、海外市場へのサービス提供から生じる部分であり、一般的には公式によって決定されます。2022課税年度から、米国法人は外国の外国稼得無形資産所得の控除を享受することができなくなります。


米国法人の外国稼得無形資産所得控除を廃止することの合理性をを解釈するために、米国政府は次の3つの理由を提示します。


1)  当該所得控除は、米国法人が国内で研究開発を行うことを奨励することにとって不利です。所得控除が廃止された後、これによって生じた収入は、米国法人が国内で研究開発を行うことを奨励するために使用されます。
2)  当該所得控除は、米国の内国法人よりも多国籍企業に適用されます。また、当該所得控除は、主に国内で販売を行う会社ではなく、輸出額の高い会社にのみ税収優遇を提供します。
3)  当該所得控除は、米国法人が特定の経済活動を米国外に移すことを奨励してしまいます。


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