啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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マレーシア会社の高級管理職と監査人

特に明記しない限り、以下の内容で紹介される「マレーシア会社」及び「会社」とは、マレーシアの会社法に基づき設立された非公開株式会社です。


「2016年会社法」の定義により、高級管理職には、会社の全ての取締役、秘書役又は従業員に加えて、任意清算により委任される清算人、引受人及びマネージャーが含まれます。会社の高級管理職全員はその会社の監査人を務めることができません。従って、監査人が高級管理職ではありません。


会社は所定の期限内にマレーシア会社登録庁(CCM)に会社の高級管理職及び監査人に関する変更を通知する必要があります。


1. 取締役


通常、会社の業務管理は取締役が行います。取締役には、いかなる役職名で会社の取締役を務める者、ほとんどの取締役がその指示に従って行動する者、及び取締役候補者が含まれます。


会社は少なくとも、18歳以上であり、マレーシアに居住しており、マレーシアに主要居住地を有する自然人を取締役として委任する必要があります。破産手続き開始後復権を得ない者、重大な犯罪で有罪判決を受けた日から5年を経過しない者は会社の取締役を務めることができません。取締役及び株主は同一人物になることができます。


取締役会は会社の定款に従い、取締役を委任し、又は普通決議を通じて一時的な空席を埋めることができます。


取締役は会社登録庁に書面で通知し、辞任をすることができます。役務契約又は定款に定めた場合を除き、辞任は許可が不要であり、取締役会で辞表を提出すれば結構です。辞表は、会社が辞表を受け取る日から発効しますが、発行に関する日付が辞表に記載される場合又は定款に別途規定される場合(例えば1ヶ月の通知)はこの限りではありません(その状況は少ない)。


取締役は、任期満了前に普通決議で解任されることができます。同じ会議で取締役の解任又は新しい取締役の委任は特別な通知が必要です。


会社の唯一又は最後の取締役は辞任又は退任することができません。会社がその取締役の代わりに別人を委任しない限り、その取締役の辞任又は退任は無効とみなされます。


2. マネージャー


会社の取締役か否かを問わず、マネージャーとはいかなる役職名で執行役員を務める者です。会社の最高経営責任者(いる場合)の事項及び関連情報は登録簿に記載される必要があります。


マネージャーはフルタイム勤務であり、その履行すべき責任、取得する報酬及び任命に付随する特権と制限が役務契約に詳述されます。


「2016年会社法」添付表3は、最高経営責任者を任命し、適切な条項及び要件を決定する権利を取締役に与えます。取締役会は、適切と思う条項及び要件に従い最高経営責任者の報酬を決定し、その決定を随時取り消し・撤回・変更する権利を有します。上述の添付表3は、契約の条項に該当する場合に任命を取り消す権利も取締役に与えます。従って、取締役会に委任される最高経営責任者はいつでも取締役会に解任される恐れがあります。


会社の定款は通常、1人又は複数の取締役を最高経営責任者に委任します。そのような規定がない場合、取締役は最高経営責任者を務めることができません。会社はまず定款を変更し、最高経営責任者を務める権利を取締役に与えます。最高経営責任者の任命権が取締役会に付与された場合、会社の株主は株主総会で最高経営責任者を委任ことができません。


3. 秘書役


会社秘書役は会社の高級管理職であり、「2016年会社法」及び会社の定款(ある場合)に定められた権利及び義務を有し、管理分野で重大な権限を持ちます。


会社は少なくとも会社秘書役を1人委任する必要があります。会社秘書役は、18歳以上の自然人であり、マレーシア公民又は永住者であり、且つマレーシアに居住している必要があります。会社秘書役はCCMによる認可されたライセンスを持っている者、又は会社法添付表4に記載されている以下の協会の会員です。


(1) マレーシア公認秘書管理者協会(Malaysian Institute of Chartered Secretaries and Administrators)
(2) マレーシア会計士協会(Malaysian Institute of Accountants)
(3) マレーシア弁護士会(Malaysian Bar)
(4) マレーシア会社秘書役協会(Malaysian Association of Company Secretaries)
(5) マレーシア公認会計士協会(Malaysian Institute of Certified Public Accountants)
(6) サバ州弁護士会(Sabah Law Association)
(7) サラワク州弁護士会(Advocates Association of Sarawak)


会社が複数の会社秘書役を持つことは禁止されていないため、会社は共同秘書役(Joint Secretary)又は複数の秘書役を持つことができます。1つの取締役会の決議を通じて複数の秘書役を委任することができます。共同秘書役又は複数の秘書役を持つメリットというと、会社は少なくとも1名秘書役が会社秘書役の職務を遂行しながら会社の機能を実行することを確保することができます。


会社設立の際に会社秘書役を提供する必要がありませんが、会社の取締役は会社設立する日から30日以内に会社秘書役を委任する必要があります。


会社秘書役は30日を超えて空席のままにしてはなりません。


4. 監査人


全ての会社は、その会社書類を監査し、会社の株主に監査済財務諸表を配布するために監査人を委任する必要があります。監査人は会社の高級管理職及び従業員に提供された情報に依存する権利がありますが、提供された情報を疑う理由がある場合に調査・確認する必要があります。


会社は、会計年度ごとに監査人を委任する必要があります。新規会社は最初の財務諸表を提出する締め切り前の30日以内に会社の監査人を委任する必要があります。


会社が監査人を委任する際に、委任された監査人は「2016年会社法」第263条、第264条の規定に該当する適格者でなければなりません。承認された監査人はのみ、会社の監査人を務めることができます。承認された監査人とは、「2016年会社法」第263条の規定に従い監査役として財政部長の認定を受け、その承認を取り消されていない者です。


会社は、監査人又は監査法人を会社の監査人として委任する前に、その監査人又は監査法人の書面の同意を取得する必要があります。通常、秘書役は指示を受け、委任する監査人又は監査法人に連絡し、同意書を取得します。


再任の場合を除き、監査人の任期は株主に財務諸表を配布する日から30日以内に満了します。監査人は、会社の登録住所に書面で通知することにより辞任することもできます。その場合に監査人の任期は通知する日の21日後又は通知書で記載される日付に満了します。


会社の株主は、いつでも特別の通知をした株主総会で普通決議で監査人を解任することができます。



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