啓源会計事務所(公認会計士・税理士)

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シンガポール個人所得税に関する優遇措置と納付・申告

税制優遇措置


1. シンガポール国外源泉所得に対する免税措置


シンガポールの内国歳入庁(IRAS)のガイドラインに基づき、2004年1月1日より、シンガポールで就労する従業員は海外で得た所得が課税対象とならず、個人所得税を納付する必要がありません。海外から受け取った収入は免税となります。但し、以下の場合に国外源泉所得は課税対象となります。
(1) 給与所得が海外勤務で得て、且つ当該海外勤務がシンガポールにおける仕事にかかわる。即ち、海外勤務はシンガポールにおける仕事の一部である。
(2) 国外源泉所得はシンガポールにおける共同事業を通じて得た収入である。
(3) 納税者がシンガポール政府の代表として海外で働く。


2.  非通常居住者計画(NORスキーム)


シンガポール政府は2002年にNORスキーム(Not Ordinarily Resident Scheme)を打ち出しました。当該スキームとは、優秀な人材をシンガポールに誘致することを目的としています。NORスキームの要件を満たしていればそのシンガポールに滞在した日数でその課税所得金額を算出できます。なお、該当者は勤務前所得(pre-assignment income)及び年金積立などの優遇政策も享受できます。


下記の条件を満たす外国人は5年間有効の「非通常の居住者」身分を取得できます。
(1) 当該資格を申告する予定である賦課年度に税務上の居住者と認定されなければならない。
(2) 当該資格を申告する予定である賦課年度の過去3賦課年度には税務上の居住者と認定されなかった。
(3) シンガポールにおける仕事の都合で暦年で90営業日以上海外で滞在する。
(4) 個人の給与所得が最低160,000Sドルである。


NORスキームに基づく居住者である従業員は連続する5賦課年度に以下の優遇措置を享受できます。
(1) 時間によって給与所得を計算する
(2) 任意加入の海外の退職年金基金または社会保障計画に対する雇用主拠出金は免税となり(特定の場合を除く)、免税限度額が中央積立金(CPF)に規定される「普通」と「追加」の給与の最高納付額までです。


同時に、時間割付の優遇措置は現金補助及び実物支給に適用されます(取締役の報酬及び雇用主が従業員のために納付・負担するシンガポールにおける税金を除く)。


シンガポール政府はその2019年度財政予算案に、現在のNORスキームを停止する決定を発表しました。NORスキームにおける最後の「非通常の居住者」身分が2020年から2024年まで有効です。現在有効な「非通常の居住者」身分はその元の期限まで有効です。


3. 地域代表計画


地域代表計画は、シンガポール国外の会社によって雇用され、その給与が国外の会社によって支払われ、且つその職務責任がシンガポール以外の地区をカバーする者に対する課税減免の計画です。当該者の雇用契約書は複数の国家(地区)をカバーしなければなりません。


地域代表はそのシンガポールでの滞在時間によって課税所得額を計算する必要があります。従って、当該者は必ずその旅行日程表を保存しなければなりません。当該日程表は、毎回シンガポールの入国・出国日付及び目的地などの情報を含んでいます。シンガポールでの滞在日数を計算する時に、1日未満であっても1日で計算します。


地域代表はシンガポールの税務上の居住者とみなされる場合、その課税所得額が累進税率で計算され、且つ納税の各減免措置を享受できます。さもなければ、税務上の非居住者の課税規則が適用されます。


個人所得税の申告と納付


1. 個人所得税の申告


納税者は毎年3月1日から4月18日までの期間で、シンガポール政府のオンラインシステムを通じて確定申告書を提出することができます。書面で提出する場合、毎年4月15日までに提出しなければなりません。


1.1 AIS (Auto-Inclusion Scheme)


雇用主はAISに加入した場合、被雇用者は雇用主から得た所得に対して申告書を別途提供する必要がありません。雇用主は毎年3月1日にシンガポールの内国歳入庁に対して各従業員の給与所得の関連情報を提出し、これらの情報が自動的にその従業員に対する賦課決定通知書に記載されます。言うまでもなく、もし従業員は内国歳入庁からの課税通知書を受領して、その他の所得税(例えば、家賃収入)に対する申告を要求されましたら、要求によって指定された日付に申告書を提出する必要があります。


1.2 納税申告書提出の通知


シンガポールのIRASによってレター、フォームまたはメッセージで所得税の確定申告書を要求された場合、AISに加入したかどうかにかかわらず、前年度に課税所得があるかどうかにかかわらず、納税者はその通知に記載される指定日付までに確定申告書を提出しなければなりません。


1.3 賦課決定通知書(Notice of Assessment, NOA)


確定申告終了後、納税者は毎年4月末から9月までの間、IRASからの賦課決定通知書(Notice of Assessment, NOA)または税額表(Tax Bill)を受け取ります。一般的に、賦課決定通知書はAISに表示されている所得及び前年度の減免額に基づき税額を計算します。IRASは納税者が関連条件を満たすかどうかによって当該減免を調整するかもしれません。


納税者は賦課決定通知書の正確性を確保することが義務付けられます。もし賦課決定通知書に入っていないその他の収入があれば、または賦課決定通知書の減免が正しくなければ、納税者は賦課決定通知書の発行日から30日以内にIRASに通知する必要があります。


3月1日から4月18日までの期間、納税者はmyTax Portalを通じて自動的に保存された情報を確認し、且つ賦課決定通知書をプレビューすることができます。
(1) プレビュー内容が正しければ、IRASに賦課決定通知書の発行を前倒しするように要求できます。
(2) プレビュー内容が正しくなければ、内容を訂正した申告書をオンラインで提出することができます。


1.4 納税額に対する異議申立て


IRASによる賦課決定通知書に算出された納税額に対する異議申立ては、賦課決定通知書の発行日から30日以内にIRASに書面で行う必要があります。異議申立てには反対する理由がはっきりと記載されなければなりません。もし納税者は指定の期限内に異議申立てを行わなかった場合、IRASが算出した納税額に同意するとみなされ、当該金額が最終的な納税額となります。


2. 税金の納付


納税者は賦課決定通知書の納税額に同意する場合、賦課決定通知書の発行日から30日以内に税金を納付する必要があります。IRASに異議申立てを行ったとしても、IRASの承認がなければ、指定の期限内に税金を納付しなければなりません。


シンガポールの内国歳入庁は納税者に対して多種多様な支払い方法を提供しております。その中で、内国歳入庁が一番おすすめするのはGIRO (銀行口座自動引落)です。GIROを通じて個人の銀行口座から税金が自動で引き落とされ、操作が早くて便利であり、分割納付することも可能です。GIROを初めて利用する納税者は、Master GIRO Application Formの記入・提出が必要です。



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